このページでは、黄色い鼻水の原因・検査・治療法について詳しく解説いたします。
鼻水の色・状態から考えられる病気
黄色や緑などの色や、サラサラ・ネバネバなど、鼻水の色や状態は病気を探るサインになります。
鼻水の色や状態で、ある程度、原因を推測することができます
サラサラで水っぽい無色透明な鼻水
サラサラで無色透明な水っぽい鼻水は、アレルギー性鼻炎や過敏症で出る鼻水です。
ネバネバで透明か、少し白っぽい鼻水
風邪などのウィルス性の炎症が起こっている場合には、水のような鼻水のこともあり、また、ネバネバと粘り気のある鼻水になることもあります。
ネバネバで、黄色(または緑色)をした鼻汁
青洟と呼ばれる、黄色や緑色の鼻汁です。粘り気は人によっても炎症の程度によっても変わります。これは、副鼻腔炎といって、鼻内や副鼻腔にバイ菌の炎症が起こっていることが原因になっているかもしれません。または様々な原因の鼻炎が考えられます。
黄色い鼻水が出るのは何が原因?
鼻水が黄色っぽい他に症状がなければ、鼻炎、副鼻腔炎であることがほとんどです。風邪が治りかけるときにも黄色っぽい鼻水が出ることがありますが、一時的なものなので心配する必要はありません。
黄色い鼻水の原因は、以下のことが考えられます。
副鼻腔炎
黄色い鼻水が症状として現れる疾患の中で、もっとも注意が必要なのが副鼻腔炎です。
急性副鼻腔炎
ウイルスや細菌に感染して起こります。体調不良など、免疫力が低下しているときは要注意です。
慢性副鼻腔炎
急性鼻炎やアレルギー性鼻炎から慢性化して発症するケースがよく見られます。
好酸球副鼻腔炎
アレルギー体質の方がかかりやすい傾向がありますが、明確な原因は未だはっきり分かっていません。
副鼻腔真菌症
真菌と呼ばれるカビの一種が原因となる副鼻腔炎です。黄色い鼻水に加えて、頭痛、嗅覚障害が起こることもあります。
アレルギー性鼻炎
初期には無色透明の鼻水が出るアレルギー性鼻炎ですが、ある程度進行すると黄色っぽい鼻水に変わることがあります。
副鼻腔炎の概要解説動画
黄色い鼻水が出る場合の検査
黄色い鼻水の場合の検査は以下です。
副鼻腔炎
鼻汁や鼻茸の有無、画像診断、場合によってはCT検査を行います。アレルギー性鼻炎に見られる鼻の痒み、くしゃみの症状がないことも診断基準となります。
アレルギー性鼻炎
問診、鼻鏡検査、血液検査、鼻汁好酸球検査などを経て、診断します。また、アレルギーの原因物質の特定のため、皮膚テスト、血清特異的IgE抗体検査、鼻粘膜誘発検査などを行います。
黄色い鼻水が出る場合の治療法
黄色い鼻水の場合の治療法は、以下になります。
急性副鼻腔炎
鼻づまりの緩和、ネブライザーによる治療を行いながら、安静にして疲労の回復を待ちます。
慢性副鼻腔炎
根本的な治療法として、「鼻内副鼻腔手術」が挙げられます。その他、「鼻粘膜焼灼」、「粘膜下鼻甲介骨切除」といった方法で治療を行うこともあります。
好酸球性副鼻腔炎
難治性の好酸球性副鼻腔炎は、厚生労働省の指定難病になっており、完治は困難です。
鼻茸が大きくなっている場合には、切除を行います。
副鼻腔真菌症
手術によって真菌を取り除きます。
アレルギー性鼻炎
内服薬、点鼻薬、鼻洗浄やネブライザーによる治療が主となります。黄色い鼻水が見られるということは、かなり悪化している可能性が高く、手術が必要となるケースも見られます。
また、アレルギーの原因となる「アレルゲン」を含んだ治療薬を口に含み体質を改善し免疫を作ることで、アレルギー症状を治したり症状を抑えたりする効果が期待できる「舌下免疫療法」という治療法もあります。下のページにてより詳しく解説しております。
副鼻腔炎の手術の概要解説動画
その他の鼻に関する症状は以下のページにて解説しております。
監修医師
- 老木 浩之
- ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
- ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
- ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
- ・医学博士