こんにちは、月曜日午後、木曜午前、金曜午前午後、第1~3土曜日の診療を担当している医師の竹田将一郎です。今回は、嚥下障害についてのお話です。
嚥下(えんげ)とは、食物をのみこむことを指す言葉です。老若男女問わず普段から皆さんが当たり前に、ほぼ無意識に行っている運動です。
しかし、この運動は医学的に分析してみると非常に緻密で正確な口やのどの動きとそのタイミングのバランスによって成り立っています。そのため老化などによるわずかな筋肉や神経のおとろえや、比較的軽い症状の脳血管障害や神経疾患などでも、のみこみに支障をきたすことがあります。これを嚥下障害(嚥下摂食障害)といいます。
のどは空気の通り道と食物の通り道の交わるところで、嚥下障害があると食べ物や飲み物が気管から肺に入り、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の原因となります。また、嚥下障害により栄養や水分が十分に取れないことで、低栄養や脱水になることもあります。重症化すると日常生活どころか生命維持にも支障をきたすケースがあります。そのため重症なものは病院や施設で以前より、治療やリハビリが取り組まれてきました。
近年の社会の高齢化に伴い、軽症を含む潜在的な患者さんの数は増加傾向にあります。比較的軽症なうちから、病態を理解して対策を講じることが重要です。
当院はクリニックですが、この社会的ニーズに対応すべく重症例の診断や重症化しないための簡単なリハビリ・生活指導など取り組みをしております。嚥下障害を心配される方は診察の際に、相談いただければ幸いです。