6月末から8月にかけて流行するウイルス感染症を一般的に「夏風邪」と呼びます。
冬の風邪とは異なる性質を持ちますので、同じ対処法をとっていると治らず、むしろ症状が悪化するということも考えられます。
夏風邪の原因
冬の風と異なり、夏風邪のウイルスの多くは高温多湿の環境を好みます。
以下のような要因も夏風邪にかかりやすくなる原因となります。
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- 夏バテによる体力・食欲の低下
- 冷房による屋内外の温度差
- 冷たいものの飲みすぎ
- 睡眠不足
主な夏風邪の症状
夏風邪の中でも代表的なものをご紹介します。いずれも小さなお子様が感染しやすいという特徴があります。
手足口病
手のひら・足の裏・口の中などに水疱性の発疹が現れることからこう呼ばれます。
特に小さなお子様が感染することが多い疾患ですが、大人の方の感染もしばしば報告されています。
原因ウイルス
コクサッキーウイルス・エンテロウイルスなど
潜伏期間
2-7日程度
症状
- 手のひら・足の裏・口の中などの水疱
- 発熱
- 口内炎
ヘルパンギーナ
- 突然の高熱と強いのどの痛みが特徴です。喉の痛みから飲食がしにくくなり、脱水症状を起こすことがあります。
原因ウイルス
主にコクサッキーウイルス
潜伏期間
2-4日程度
症状
- 突然の高熱
- のどの強い痛み
- 口の中の水疱
プール熱(咽頭結膜熱)
高熱とノドの痛み、下痢などが症状として見られます。夏にプールを介して流行することが多いですが、空気感染も可能性があります。
原因ウイルス
アデノウイルス
潜伏期間
5-7日程度
症状
- 高熱
- のどの痛み
- 結膜炎
- 頭痛
- 吐き気
- 下痢
夏風邪の予防
冷房の温度を低くしすぎない
冷房の温度が低いことで屋外との温度差が大きくなり、免疫力が低下します。
細かな水分補給
乾燥した粘膜の細胞にはウイルスが付きやすくなります。しっかりと水分補給することで感染を防ぎます。
うがい、手洗い
感染者とタオルを共有しない
うがい・手洗いを心がけ、感染者とタオルを共有しないようにしてください。
お子さまの食べ残しを食べない
ウイルスを口から入れてしまうことで、お子さまから大人の方へ感染してしまうケースが多いです。症状が見られるお子さまの食べ残しは食べないようにしましょう。
トイレの処理に注意する
症状が治まってからも2-4週間はウイルスが便と共に排泄されます。お子さまのトイレやおむつの処理に注意し、処理したのちは念入りに手を洗ってください。
夏風邪の治し方
休養・睡眠をしっかりとる
ウイルスを原因とする夏風邪は抗生物質による効果がないため、症状を緩和する薬を摂りながら、体力・免疫力を改善して自然回復を待つ必要があります。
水分を十分に摂る
夏風邪を患うと脱水症状を起こしやすくなります。水分をこまめに摂りましょう。