急性中耳炎と滲出性中耳炎の違いとは?

こんにちは、月曜日午後、木曜午前、金曜午前午後、第1~3土曜日の診療を担当している医師の竹田将一郎です。
今回は、お子様がよく遭遇する急性中耳炎と滲出性中耳炎についてお話をしたいと思います。

中耳炎とは耳の穴のつきあたり、鼓膜の内側の空間(中耳)に炎症がある状態です。

炎症の状態によって様々な種類があり、同じ人がかかった中耳炎でも、治る途中や逆に悪化することで名前(病名)が変わります。

お子様が「急性」中耳炎と診断されて治療を受けていたのに、いつの間にか「滲出性」中耳炎ですよと言われて、病院通いが続いて混乱したという御経験をされたお母さんお父さんは少なくないと思います。

それは経過中に、中耳炎の状態が変わったということなのです。

「急性」中耳炎は、ウィルス、細菌感染あるいはその両方が原因で耳の痛み、発熱、耳だれを症状とする中耳の急性炎症です。

「滲出性」中耳炎は、鼓膜の内側に液が溜まって耳が聞こえにくくなっていますが、耳の痛みや発熱のない状態です。

いずれも風邪や鼻炎をきっかけに起こることが多いです。

典型的な急性中耳炎は、急性期を過ぎて滲出性中耳炎の状態になり、徐々に貯まった液が減って3・4週間以内に正常な状態に戻ります。

しかし、滲出性中耳炎は体質や鼻やのどの状態によって長期に遷延することが少なくありません。3・4か月以上、聞こえにくい状態が続く場合は、鼓膜にチューブを留置する治療法が必要になることもあります。

予防・治療には耳・鼻・のどの状態を正しく観察することが大切です。強力なお薬も使いどころ次第です。

その時々で、どこまでの処置やお薬が必要か(あるいは必要ないか)を評価してもらうことが大切です。

根気強い通院が必要になることもありますが、耳の痛みや耳だれだけでなく鼻水や発熱があるときには、はやめに鼓膜の状態をチェックすることをお勧めします。

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