新生活が始まる3月~4月は生活リズムが変化してストレスや体の不調を感じやすい時期です。
また、季節の変わり目で一日の中での寒暖差や気圧変動が大きく体調を崩しやすいことに加えて、スギ・ヒノキの花粉が飛散する花粉症の方にとってつらいシーズンでもあります。
この記事では、新生活で気を付けたい健康管理の要注意ポイントについてご説明いたします。
春の体調不良の大きな原因「自律神経」とは
体調管理について重要な役割を持つのが自律神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経の二つから構成されており、この二つがバランスよくはたらいている状態が良いとされます。
交感神経
主に昼間に活発になります。血管を収縮し、心身を活発にします。
副交感神経
主に夜、眠っている時やリラックスしている時に活発になります。血管を拡張・血圧の低下・心拍数の減少により、心身を休め回復させます。
自律神経が乱れるとどうなる?
自律神経は呼吸・血液循環・体温調節・消化・排泄・生殖・免疫などの機能を無意識に調整しており、人間の体にとって不可欠なものとなっています。
この自律神経のバランスが乱れると体調不良をきたすとされます。
春は、この自律神経のバランスが乱れやすい時期となっており、春にあらわれる体調不良の大きな原因となっています。
春の体調不良の様々な原因
生活環境の変化
ストレスは自律神経のバランスが乱れる原因となります。
新生活の時期は環境が大きく変化するため、緊張感やストレスを感じやすく自律神経が乱れやすくなります。
激しい寒暖差
春は一日の中での寒暖差が大きい季節です。
急激な温度変化が生じると血管収縮が状況に対応しきれず、自律神経が乱れることで、疲れやだるさを感じやすくなります。
気圧の変化
春は気圧変動が大きいとされ、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。これにより自律神経の切り替えがうまくいかなくなります。
低気圧の影響による血液中の酸素濃度の低下にともない、眠気やだるさを感じやすくなります。
日照時間の変化
日照時間が長くなり、朝早く目が覚めたり、夜更かしして就寝が遅くなるなど、生活リズムが乱れやすくなります。
花粉症
主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが生じます。
新生活の時期に考えられる花粉症の原因となるものとしては、主に以下の二つが考えられます。
スギ
年初から飛散が始まり、3月に飛散量がピークとなり、5月くらいまで飛散します。
ヒノキ
スギよりも若干遅れて飛び始め、4月に飛散量がピークとなり、6月くらいまで飛散します。
春の健康管理のポイント
注意すべき点の多い春ですが、栄養バランスの整った食事や十分な睡眠が何よりも大切です。ストレスをためないことと、規則正しい生活を意識しましょう。
食事は抜かずにバランスよく摂る
食事をとると、消化のために副交感神経が活発に働き、身体はリラックスモードになります。
食事を抜くと交感神経が働いたままになり、自律神経のバランスが乱れます。三食バランスの良い食事をとるようにしましょう。
特に朝食は、睡眠中に低下した体温を上げ、自律神経を整えるのに重要です。
適度な運動を行う
運動をすると、セロトニンという神経伝達物質が分泌されます。このセロトニンは自律神経のバランスを調節する働きを活性化させます。
ウォーキングや軽めのランニング、水泳などの有酸素運動の他、階段を利用するなど日常の中の運動を増やす工夫をしてみましょう。
ストレッチによって体の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えることも重要です。
入浴時は湯船に浸かる
シャワーだけで済まさず、湯船に浸かりましょう。
適度な温度のお風呂にゆっくりと入浴することは自律神経を整えるのに有効です。
睡眠をしっかりとる
スムーズで深い眠りを誘うためには副交感神経を働かせ、心身をリラックスさせることが重要です。
就寝前に目元や首元を40℃くらいの蒸しタオルやアイマスクなどで温めると、睡眠の質が向上する。
衣服で温度調節
体温調整をできる衣類を身に着けて温度変化に身体を適応させます。
マフラーやカーディガン、ひざ掛けなどを使ってこまめな体温調整を行いましょう。
花粉を身体に入れない
- 午前中や夕方など、花粉が飛散しやすい時間帯外出を避ける
- マスク・ゴーグルなどをつけて花粉を防ぐ
- 鼻の中にクリームを塗って、花粉の侵入を防ぐ
花粉を屋内に入れない
- 外出時は、衣類に花粉が付着しにくいなるべくツルッとしたものを着る
- 外出時、帽子をかぶる
- 帰宅時、頭から足首までよく払ってから家に入る(特にすそや足回りは丹念に)
- 以上の外出・帰宅時の注意点を家族全員に徹底する
- 窓や扉の隙間に目地をする
- 空気清浄機を使う
- 部屋は整理整頓、シンプルな空間にして、花粉がたまりにくくする