アブミ骨手術
鼓膜でとらえた音の振動を増幅させて内耳へ伝えることが耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)の役割です。
その耳小骨のうち、アブミ骨の動きが悪くなり振動が内耳に充分に伝わらなくなることで難聴を引き起こす病気が、耳硬化症です。そして耳硬化症に対して行う手術が、アブミ骨手術です。
アブミ骨手術には、硬くなったアブミ骨底板を再び動くようにするアブミ骨可動術と、硬くなったアブミ骨の一部を人工のものに換えるアブミ骨置換術とがありますが、アブミ骨底板に小さな穴を開け、アブミ骨をワイヤーピストンに置換する方法が一般的です。人工のものといっても極めて安全性が高く、拒絶反応などは全くありませんが、術後3~4日ほどはめまいを発症することがあります。
また、熟練した術者が行うことが必要な手術であり、国内でも限られた施設でのみ行われております。術後、8割~9割の方で聴力の改善が期待されます。
2016~2019年4年間に16件(2019年単年では4件)のアブミ骨手術の実績があります。※術式別の件数です。患者様お一人につき複数種類の手術や両耳を同時に行った場合は個別に件数を算出しております。
対象となる病状 | 耳硬化症(次第に難聴が進んでいく病気) |
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対象年齢 | 特に年齢制限はありません。 |
意義 | アブミ骨の動きが悪くなる病気です。アブミ骨を操作し、内耳に音が伝わるようにします。 |
手術方法 | 耳の穴のあたりを切開(ほとんど目立ちません)し、アブミ骨に穴をあけ、音が伝わるようピストンを立てます。 |
麻酔方法 | 全身麻酔 |
手術での危険性 | めまい、耳鳴りなど。稀に難聴が悪化することがあります。 |
手術所要時間 | 2~3時間程度 |
入院日数 | 3泊4日 |
術後の外来通院 | 約6週間〔週2~3回(2週間)+週0.5~1回(4週間)〕※その後0.5~1回/月 |
手術後の注意点
- 特に最初の数日間は、いきむのは厳禁です。
- 術後2日目から胸から下のシャワー可。
- 術後6・7日目頃から事務系の仕事は開始できます。
耳硬化症の手術費用
耳硬化症の手術 | 実質自己負担額 |
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アブミ骨手術 | 90,000~110,000円 |
※実質自己負担額は、高額療養費制度を利用された一般的な所得<区分ウ>の方の概算金額です。所得によって異なります。また、入院期間・処置等によっても多少前後いたします。
手術をご検討中の方
手術する病院・クリニックをお悩みの方は
以下のページにて手術する病院・クリニックを選ぶ際のポイントを解説しております。よろしければご一読ください。