鼻茸とは
鼻茸(はなたけ)は、鼻の内側の粘膜が一部ふくらみ、鼻腔内に垂れさがったものです。キノコのような形をしているためこの名前がついていますが、鼻ポリープとも呼ばれます。
一般的にはあまり知られていなかった病気ですが、芸能人の「チョコレートプラネット」の長田さんが悩まされていたことで知られるようになりました。
大きいものでは親指大ほどにもなり、また複数できることがあります。そうなると、鼻腔の入口から見えるようになります。
鼻茸は、慢性副鼻腔炎に付随する症状でもあります。
鼻茸の原因
上顎洞(頬の下の骨の洞穴)、篩骨洞(目と鼻の間の洞穴)などの粘膜が炎症を起こし、白くふくらんで、鼻茸を形成します。また、慢性鼻炎、蓄膿症の方に多い傾向があります。
稀に良性腫瘍や悪性腫瘍が鼻茸になることがあります。
鼻茸の症状
鼻茸により鼻腔が狭まることで以下のような症状があらわれます。
- 鼻づまり
- 匂いが分からない(嗅覚障害)
- 頭痛
- イビキ
- 耳が詰まった感じがする(耳閉感)
その二次的な症状として、鼻呼吸が減り、口呼吸の癖がついてしまいます。
鼻茸の検査
アレルギー性鼻炎、気管支喘息の合併、アスピリン過敏症の有無を問診にて確認します。
内視鏡などで鼻茸の有無とその状態を観察し、診断します。
CTで奥に副鼻腔炎がないかどうかを確認することも大切です。
鼻茸の治療・手術
症状を緩和するために、点鼻薬や経口のステロイド薬を使用することがあります。
薬が効けば小さくなることもあり得ますが、完治のためには手術が必要となります。
多くの場合は奥に副鼻腔炎があることが原因なので、鼻茸だけを切除する手術をお勧めすることはほとんどなく、副鼻腔炎の手術と併せて行います。鼻茸だけを切除してもすぐに再発することが多いからです。この場合は一泊からの入院期間となります。
鼻茸の手術後は止血用ガーゼを鼻に詰め、1日~4、5日後に抜き出します。
手術後すぐに再発した場合などは、外来で局所麻酔をした上で鼻茸を切除します。30分程度の手術です。入院の必要もありません。
鼻茸に関するQ&A
患者さんからよくいただく、鼻茸に関する質問への回答をご紹介いたします。
鼻茸に効く市販薬はありますか?
炎症がおさまれば鼻茸は縮小したり、消失する可能性はあります。しかし、市販薬の効果には限界があるため、多くは期待できません。
鼻茸を自分で取ることはできますか?
出血や感染を起こす危険性があるので、お控えください。潰すことなども避けた方がいいでしょう。
鼻茸は自然に取れますか?
稀にですが、鼻をかんだ際にとれることがあるようですが、めったにあることではないでしょう。
鼻茸の手術は痛みますか?
麻酔を使用するので、痛みを感じることはまずありません。
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監修医師
- 老木 浩之
- ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
- ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
- ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
- ・医学博士