慢性中耳炎

慢性中耳炎とは

急性中耳炎や滲出性中耳炎が治らず、炎症が慢性化した状態です。耳漏や難聴などの症状が起こります。「肉芽(にくげ)」と呼ばれる線維組織や、鼓膜の表面の細胞が増殖した「真珠腫(しんじゅしゅ)」と呼ばれるかたまりができることがあります。また、鼓膜に穴があいて治らない状態(鼓膜穿孔)、鼓膜が中耳の壁にくっついてしまう状態(癒着性中耳炎)になることもあります。

慢性中耳炎の原因

慢性中耳炎は、急性中耳炎が完全に治らずに細菌感染が続いていたり、体の抵抗力が弱って炎症が治まりにくくなっているなど、さまざまなことがかかわりあって起こります。中耳の発達が悪い場合や、鼻やのどに慢性的に炎症があることなども慢性中耳炎の原因となります。
炎症が長引くと、その炎症部位を線維組織が覆った「肉芽(にくげ)」ができることがあります。この肉芽の中で細菌が生き続けると耳漏などが続くことになります。
また、鼓膜の細胞が中耳に入り込み、増殖してかたまりになる「真珠腫(しんじゅしゅ)」ができることもあります。真珠腫ができる原因ははっきりと分かっていませんが、真珠腫を放置していると耳小骨が溶けて、重い難聴やめまいにつながる危険性があるため、手術で取り除く必要があります。しかし、真珠腫は手術で取り除いても再発しやすいという特徴があります。

慢性中耳炎の症状

耳痛

耳の痛みは、急性中耳炎に非常によく起こる症状です。ひどく痛むこともあれば、たまに痛む程度のこともあります。子供ならだいたい2~3日でおさまりますが、大人では1週間以上続く場合があります。
赤ちゃんや子供は、言葉で痛みを表すことができないので、耳によく手をやったり、耳に触られるのを嫌がったりすることがあります。このような症状のサインを見逃さないようにしましょう。

耳漏(じろう)耳だれ

鼓室に膿がたまり、その炎症のために鼓膜が破れて、膿が外に流れ出てくることがあります。急性中耳炎や慢性中耳炎で起こりやすい症状です。長く続く場合は、真菌やMRSAなどの耐性菌が原因となっていることがあります。

難聴

急性中耳炎でも起こる症状ですが、滲出性中耳炎や慢性中耳炎にとくに起こりやすい症状です。音が聞こえにくいと感じる他に、耳が詰まったような感じや音がこもる感じがするという方もいます。
鼓膜が腫れたり、鼓膜に穴が開いたり、耳小骨の働きが十分でなくなることなどから、難聴につながります。

検査内容

中耳炎の種類や症状に応じて、次のような検査が行われます。その他にも、血液検査を行って炎症の程度をみたり、CT検査などを行うこともあります。
 細菌・真菌検査
耳漏や、中耳の膿から、原因菌の種類などを調べる検査です。細長い綿棒を使って、鼓膜近くの耳漏をとったり、のどの奥をぬぐったり、鼓膜切開をして鼓室にたまっている液体を吸引装置でとったりして、その中に含まれる菌を調べます。
耳漏などをとる場合は、短時間で済みます。
また、赤ちゃんや小さな子供の場合は、保護者が椅子に腰かけて、膝の上に子供を座らせて行うこともできます。
 聴力検査
難聴があるかどうかを調べる検査です。鼓膜の状態や中耳炎の程度を知ることもできます。
 ティンパノメトリー検査
測定器を使って、鼓膜の動き具合を調べる検査です。滲出性中耳炎でよく行われます。
 CT検査
顔の正面と側面のCT撮影をし、炎症が耳の奥まで広がっていないかどうか調べます。

慢性中耳炎の治療・手術について

薬物療法

耳漏の原因となっている細菌の増殖を抑えたり死滅させるために、抗菌薬(抗生物質など)を飲んだり、点耳薬を用いたりします。

手術

肉芽や真珠腫がある場合にはそれらを取り除く手術を行います。鼓膜の穴をふさぐ手術や、耳小骨が損傷している場合はこれを修復する手術を行います。

慢性中耳炎で行われる主な手術

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